Google参入の衝撃。ゲーム業界に進撃するIT業界の巨人たち
何やらゲーム業界の中心…というよりその周辺が騒がしい。
Googleが進めるコードネーム「Yeti」。IT業界の巨人が満を持してゲームストリーミングサービスに参入する、という噂である。
もし「Yeti」がChromecastで動くようなアプリケーションとして提供されるのであれば、ひょっとすれば、AndroidやiOS端末で動くようになるかもしれない。家庭用ゲームが「Yeti」で配信されると、アプリケーションに対応した全てのデバイスでそのゲームが稼働する。ひょっとすると『モンスターハンター:ワールド』がiPadで動くようになるかもしれない。Googleのゲームストリーミングサービス参入はそんなことを予感させる。
2012年、かつてのSCEが「Gaikai」を買収した際には「これからはゲームストリーミング」的な風潮もあったが、時間と共に風化してしまった。後継サービス「PlayStation Now」もまだまだ普及していない。
潮目が変わったのは今年の1月24日。マイクロソフトがXbox One専用ゲームをグローバルリリースと同時にストリーミングサービス「Xbox Game Pass」にリリースすると発表した。『Halo』も『Forza』も「Xbox Game Pass」を契約していれば追加費用無しで遊ぶことができる。Xboxプラットフォームの独占タイトルに乏しいマイクロソフトが大きく舵を切ってきた。
ゲームストリーミングで先行していたNvidiaの「Geforce Now」も、今までは専用端末での利用に限定していたが、Windows PCでも利用できるようにサービスを拡張。最低限のスペックのPCと回線速度を確保すれば、あらゆるWindows PCで1080p、120fpsでゲームを遊ぶことができる。
ゲーム業界ではマルチプラットフォーム化が急速に進んでいる。ゲームエンジンがあらゆるプラットフォームに対応することで、デベロッパーが大きな工数をかけずに複数プラットフォームでリリースすることが可能になった。グローバル市場で最も重要なSteam配信もゲームエンジンの恩恵にあずかっている。
そして究極的なマルチプラットフォーム化ともいえるのがゲームストリーミングだ。ゲームの処理はクラウド上(AzureでもAWSでもGCPでも)行い、その結果だけを端末に表示すれば良い。
マイクロソフトやNvidiaといったIT業界の巨人たちがゲームをハード機からひっぺがそうと躍起になっている。更にここにGoogleが参入してくる。「Twitch」を擁するAmazonも黙っていないだろう。
更に更に、マイクロソフトがSteamを買収して、「Steam配信ゲームも独占的に『Xbox Game Pass』で遊べます、Windows PCでOKよ」なんて言い出した日には、「わたし(100ドルでも200ドルでも)出すわ」的な勢いでクレカ登録するしかない。
2017年のゲーム業界はNintendo Switchのヤバみが深かったが、2018年のゲーム業界はIT業界の巨人の進撃のヤバみがもっと深くてとにかくヤバい。