サービス紹介動画を自作して気づいた7つのこと
『WikiPlan』を開始するにあたって、短い時間でWikiPlanがどんなサービスかを伝えるために、サービス紹介動画を自作した。
これが結構大変、だったのだけれど、少し時間をかければ、沢山お金を出して外注しなくても何とかなった。 動画制作ソフトを駆使して、キネティック・タイポグラフィ(文字のアニメーション)を多用することで、イラスト・アニメーションの素人でも、何とか動くものが出来た。
制作会社に頼むお金が無いけれど、サービス紹介動画が欲しい、という人は参考にしてほしい。
【目次】
1.使うのはAfter EffectsとIllustrator
「高いよ」という声はありそうだが。どのソフトも無料試用期間があるので、そのあいだに作ってしまう手もある。
Adobeのソフトはそれぞれが密に連携する。
Illustratorで絵を描いて、それをAfter Effectsに埋め込む。少し絵を修正したいと思ったら、Illustratorファイルを修正すれば、そのままAfter Effectsに反映される。何度も絵を書き出す必要はない。この便利さったらない。
Illustratorはもちろん、After Effectsも、膨大な量の機能が備わっているので、使い方を覚えるのは大変だ。
教本も購入してみたが、ネット検索のほうを多用することになる。
After Effectsについては、操作方法を説明する動画がYoutubeにたくさん上がっているので、すごく参考になる。
2.動きは移動、スケール、回転だけ
絵を描く。テキストを打ち込む。それらを配置して、動かす。
左右上下に移動させる、飛び出すように大きくする、くるくる回転させる。移動、スケール、回転の動きの組み合わせだけで、とにかく動画になる。
2Dのアニメーションだと、カメラという考え方は無くて、カメラのパン・チルトも、フレーム内のオブジェクトに色々な動きをさせて、実現する。
例えば、プロのクリエイターが作った以下のような作品も、よく見ると移動、スケール、回転しているだけだ。コマ撮り用の静止画をたくさん書いているわけじゃない。
Live and enjoy Brazil with Evernote! from rulascalaca on Vimeo.
3.何かが動いていないと退屈だ
とにかく何かを動かすこと。一枚絵的に何かを見せたい時も、上下にじんわり移動させてみたり、点滅させてみたり。
そうじゃないと、見ていて退屈に思ってしまう。
カットの中で、何か一つを必ず動かす。逆に、何かが動いていれば、それで動画になる。
例えば、ボカロのPVで綺麗な一枚絵があって、それが少しだけ動いているというのを見るが、画像が静止しているよりも、ずっといい。
4.カッコいい動きは、ドラッグ&ドロップするだけ
文字が飛んだり跳ねたりちぎれたり。色々なスタイリッシュなアニメーションが、After Effectsにテンプレートエフェクトとして備わっている。
そのエフェクトを動かしたいオブジェクトにドラッグ&ドロップするだけで、カッコよく動く。
エフェクトの量は膨大で、実際に適用してみないとどんな動きかが分からない。("Flip Flap"効果って言われても、文字だけでは良く分からない)
なので、Youtubeで"After Effects Text"なんて検索すると、サンプルがたくさん出てくるので、そこからいい感じのエフェクトを探せばいい。
5.それっぽい動きは、コピペするだけ
エクスプレッションという機能があって、一定の動きを"コード"を書いて制御するというものだ。筆者が作った動画でいうと、地球の周りをまわる紙飛行機の円運動の制御と、カップラーメンの湯気を表現するのに、エクスプレッションを使った。
物理演算的な動きなど、極めれば、エクスプレッションは奥が深いが、複雑ではないアニメーションを作るのであれば、教本に紹介されているエクスプレッションのコードをコピペするだけで、うまく動く。地球の周りをまわるという円運動は、細かく設定すれば"移動"の動きだけで実現できるが、エクスプレッションを使うほうが遥かに楽だ。
6.BGM、音が全てをカバーする
とにかくBGM、効果音といった音は大事。音があれば、様々な雰囲気を演出できる。
筆者は上述の『Free Use Music』のBGMを買った。購入した金額のみで、使用料はかからない。商用利用もOKだ。
真面目な印象も、温かみのある印象も、元気な印象も、BGMで決まる。
素敵なBGMさえあれば、文字だけでもなんとかなる。
7.ナレーションは…
筆者は、ナレーションも自分でやろうと思い、わざわざスタジオでレコーディングしてきた。台本を書いて、練習して、頭から最後まで、一発撮りした。
でも、やっぱり何か違う。声がこもって聞こえるし、滑舌も微妙だ。
プロのナレーションとは聞きやすさが全然違う。
声優ラジオをたくさん聞いていても、自分の声は声優みたいにはならんのである。
なので、これはナレーションをお願いするか、文字だけで表現するほうが無難だと思う。
※※※
動画は作るのが大変そうだな、と思ってしまうが、想像しているよりも難しくない。
新しくサービス紹介動画を考えている人は、是非、自作してみてほしい。
最後に、筆者が最も参考にしたのは、Bitcoinの紹介動画と、ボカロ曲の『裏表ラバーズ』のPVだ。前者は動画の構成がうまくて参考になるし、後者は単純なオブジェクトをどうやって動かせばそれっぽい仕上がりになるかが大いに参考になった。