ブックオフ店内は1990年代にタイムスリップできる
会社を立ち上げたばっかりで収入もないので、本を買う金を節約しようと、なんば戎橋のブックオフに行ってきた。
店に入って驚く。学生の時から、店の雰囲気が一切変わっていない。
ツタヤだって、マクドナルドだって、ユニクロだって、20年以上続いているチェーンストアは、どうにかこうにか、オシャレで今風な内装に様変わりしているものだ。
ブックオフは、1990年代のあの頃から全然変わっていない。2000年代以降の時の流れに、全く乗っかっていない。
蛍光灯で照らされた店内。特徴の無い棚で空間が区画され、背表紙の色あせた本が並ぶ。ゴルゴ13は相変わらず1つの棚を独占しているし、文芸コーナーの"あ行"には浅田次郎が並んでいる。
棚の前に座り込んでいる子ども。でかいリュックサックを背負った暇そうな若者。酒臭いオヤジ。立ち読みする客の横で、高速で本を並べる店員。
有線の放送の合間に、買い取りの完了の放送が流れる。
この有線も凄まじい。
ラルクの『snow drop』、マッキーの『もう恋なんてしない』、山下達郎の『クリスマス・イブ』。
自分とこの中古CDの棚から引っ張り出して流してんじゃねえよ…。
みんなまだ現役だけどさ。人気もあるけどさ。ほら、あるじゃん。2000年以降に流行った人。Kiroroとか。
個人商店だとか、店が出来てから月日が経っているのならわかるんだが、なんば戎橋店は2013年にリニューアルしてるんだぜ…。
ブックオフは店内は1990年代にタイムスリップできる。過去の楽しかった思い出も、楽しくなかった思い出も、ラルクの裏声と共に脳裏に浮かんでは消えていく。
そんな時が止まった場所、ブックオフ。
筆者は100円の棚でめぼしい本を漁った後、『夏子の酒』を立ち読みして帰りました。