朝、働かないということ
flic.kr photo by Bruce Aldridge
筆者は以前働いていた会社を辞めて、自分の会社を始めてから、朝に働くことがほとんどなくなった。
毎日、こんな感じの朝を過ごしている。
7〜8時に起床。前日遅かった場合は、9時くらいに起床。
テレビをつけて、ソファでボーっとする。横目でテレビを見ながら、雑誌などを読む。
目が覚めたら、ダイニングテーブルに移動して、本を読む。
目覚めてから一時間経ったら、コーヒーをいれる。
そのあとは、午前いっぱい、本を読む。
文章を書きたいな、というときはブログを書く。とにかく好きなことをする。
本を読んだり、ブログを書いていて、集中力が切れたら、ピアノを弾く。またはネットを徘徊して、気晴らしする。
そんなこんなで、お昼ご飯まで過ごす。
こんな感じのサイクルを続けている。
朝が自由ならば、夜も自由になる
flic.krphoto by Ray Warren
朝に仕事をしなくて良い、家でゆっくりできる、ということは、前の日の夜が自由になる、ということだ。会社の飲み会に参加しても良いし、友達と食事に行っても良いし、仕事をしても良いし、趣味に興じても良い。思う存分、夜を過ごせる。
次の日、朝早くから出勤しなければならない時、気兼ねなく、夜の時間を楽しめるだろうか。朝に備えて、気が張った状態で夜を過ごしているのではなかろう。
次の日、遅くまで寝ていても良いし、自由に時間を過ごせるならば、前日の夜は実に気分が良い。フライデーナイトの楽しさは、気兼ねない朝が待っているからである。
朝に自由であれば、勉強しようだとか、仕事以外でやりたいことをやってみよう、という気分になる。
Googleは、"20%ルール"という制度を設け、従業員を仕事以外のプロジェクトに半ば強制的に従事させる仕組みを作ってきた。この仕組みはGoogleに大きな果実をもたらした。Googleの中核を担うGmail、AdWords、Docsといった事業は、全て20%ルールにより生まれたものだ。仕事と関係の無いことに取り組むというのは、従業員が創造的に仕事をするために、非常に重要なことなのだ。
20世紀の偉大な経営者、ヘンリー・フォードはこんなことを書いている。
仕事に全力を尽くすタイプの労働者は、企業にとって最高の労働者だ。だが、適切に評価しなければ、彼がいつまでもそうしつづけるとは期待できない…ある人が、1日の仕事によって生活必需品が手に入るだけでなく、楽をする余裕も得られると感じているなら、また自分の息子や娘にはチャンスを、妻には人生の楽しみを与えてやれると感じているなら、その仕事は彼にとってよいものに思えるし、彼にはその仕事に全力を尽くす自由がある。これは会社にとってもよいことだ。
自由であること、楽をする余裕を得られること。これが結果的には、会社にとっても良いことにつながる。
朝に与えれる自由は、精神的な余裕をもたらし、そして、人を創造的にする。
生活リズムは人それぞれ
オックスフォード大学の睡眠・概日リズム神経科学研究所の研究員ポール・ケリーによると、朝10時前に働くことは人間の生理的に良くないことらしい。
とはいえ、である。
人間の身体は個体差が激しい。朝が得意な人もいれば、朝が苦手な人もいる。朝に仕事がはかどる人もいれば、夜に仕事がはかどる人もいる。村上春樹は、小説を書くのは必ず午前中と決めているそうだ。
何が言いたいかというと、生活リズムは人それぞれだということだ。三交代の工場で働いており、必ず朝に出勤せざるを得ない人もいる。朝のテレビに出ている人もいる。魚市場でセリに出るには、日が出る前に起きなければならない。
止むにやまれず早起きしなければならない人、そもそも早起きが得意な人、色々いる。
色々いるのならば、その人にあったスタイルで仕事が出来ればいいなと思う。海外の支社と会議をするため、夕方~夜に会議がある人は、会社の始業時間に来なくても別にいい、だとか、朝の子どもの世話が大変なので、夜にその分働くだとか。色んなスタイルがあっていいはずだ。
筆者の場合、昔は5時半に起きて色々やっていたが、結局体質に合わなかった。ショートスリーパーではないので、そのつけがどこかに回ってきた。
今は、朝の時間は本を読んだりしてのんびり過ごしているので、ストレスも少ないし、1日を通しての生産性も上がっている気がする。
朝仕事してもいい、しなくてもいい。自分の生理的な条件にあった、自由な働きかたができると、もっと創造的で、もっとストレスフリーな仕事ができるのに、と思うのである。
KDDIが、退社後11時間は出社禁止にする人事制度を開始したように、まずは強制的な社内制度を設ける必要がある。Googleの20%ルールも良い見本だ。従業員を無理やりにでも自由に行動させる制度が、ちょっと融通の利かない日本の企業文化にはあっている。
朝を自由に。そして、もっと自由な仕事スタイルを。
それが結果として、従業員をより創造的にする。そして、創造的な従業員が会社に大きな利益をもたらすイノベーションの大きな源泉になるのではないだろうか。
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