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大阪でベンチャーやってます

ベンチャー/スタートアップ(と時々趣味)に関する記事を書くブログ

てれびのカタチ

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ニコニコ動画の人気歌い手湯毛ふぁんきぃの二人が出演する動画がおもしろい。関西人二人が昔ながらのおもちゃで遊んでみるというやすい企画なのだが、ふぁいんきぃのとめどないボケと湯毛の大人なツッコミの組み合わせが絶妙だ。


湯毛とふぁんきぃがっ!~オモチャ編~その① ‐ ニコニコ動画:GINZA


当該動画をつくる予算といえば、おもちゃの購入費・場所の利用料・編集に係る作業費・演者二人の人件費くらいであろう。民放で放送しているテレビ番組とは比較にならないほどの低予算で作られたものだが、二人の掛け合いが面白く、テロップ等の演出も良く出来ているので、飽きない。


湯毛とふぁんきぃの動画の他にも、ニコニコ動画にはテレビ番組を模した動画がたくさんある。例えば、ゲーム実況プレイヤーのえふやんが作る『ぼくらは新世界で旅をする』。北海道テレビ『水曜どうでしょう』にインスパイアされた旅番組で、えふやん・ろー・あうろん・cool武士(くるぶし)の四人がビデオカメラを携えて、全国各地を旅をする。動画の最初にはオリジナルのオープニング、黒背景に白抜き文字のカットを多用した編集等、素人が趣味で作る域を超えた動画に仕上がっている。



ぼくらは新世界で旅をする - YouTube
(※画像が綺麗に表示されるので、ニコニコ動画ではなくYoutubeのリンクを貼っておく)


若者のテレビ離れがさけばれて久しい。総務省が2013年に実施した調査によると、ネットを利用する時間とテレビを視聴する時間を比較すると、10代ではほとんど並び、20代ではネットを利用する時間が上回った。テレビを離れた10代・20代がどこに向かうかといえば、ニコニコ動画やYoutubeといったネットの動画ポータルサイトである。好きな時間に好きな場所でコンテンツを楽しめるこれらのポータルサイトがテレビ・ラジオといった古くからあるメディアに攻勢をかけている。

多様化するコンテンツプロバイダー


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テレビと映画館が動画を配信する唯一のメディアであった時代から、高速回線が整備されたインターネットが一般家庭に普及してはや十数年。視聴者がアクセスできる動画配信のチャンネルは膨大になった。動画サイトの先駆者Youtubeには大手企業のチャンネルが軒を連ね、ニコニコ動画では人気歌い手のチャンネルが膨大なアクセスをうみ、BeeTVでは地上波でもお馴染みの芸人がバラエティ番組を司会し、GYAOでは有名アーティストのライブが配信されている。


メディアに溢れる膨大なチャンネルの比較優位は、魅力的なコンテンツを収集する能力にある。資本もノウハウもあるテレビ放送局は、この点において大きなアドバンテージがある。60年近くお茶の間に動画を配信してきたコンテンツ収集能力は伊達ではない。他のチャンネルを圧倒する。しかし、インターネットという誰にでも開放された回線は、今まで築いてきたアドバンテージを一瞬のうちに取り崩すだけのスピードと革新力がある。


インターネットにより、アドバンテージが無くなった結果何が起こるか。


全てのチャンネルは並列化し、全てのチャンネルが視聴者の獲得競争に置いて同じレースを戦うことになる。


ともすれば、数千億円の売上の企業と6畳一間で暮らす個人が、コンテンツの面白さと集客力で戦う時代になった。


大手チャンネルは、競争に生き残るため、他のチャンネルの買収に動くこともあるだろう。昨年、日本テレビ放送網が米国の定額動画配信サービス「Hulu」の日本事業を買収したことが話題になった。視聴率No.1をひた走る日テレでさえ、チャンネル並列化の現象は大きな脅威となっている。



日テレが、Hulu買収で仕掛ける「動画革命」 | エンタメ | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

クリエイターがプロバイダーを選択する時代へ


大手企業から新規参入企業まで、コンテンツプロバイダーが真っ先に確保しなければいけないものは、魅力あるコンテンツである。そして、その魅力あるコンテンツを作り出すクリエイターに対する需要はこれから更に高くなるであろう。


コンテンツを収集する作業はますます複雑化する。テレビ局が制作会社をかかえてコンテンツを生産していた時代は終焉を迎え、媒体を問わず純粋におもしろい、美しい、感動するコンテンツを創りだすクリエイターが、プロバイダーを選択する時代へとシフトする。それは遠い未来ではなく、現在進行形の事象である。


例えば、2013年の水曜どうでしょうの最新動画は北海道テレビの放送直後にアクトビラ・ひかりTV・J:COMオンデマンド等のサイトで配信された。将棋のタイトル戦はNHKに加えてニコニコ動画でも配信されるようになった。動画の配信先はもはやひとつのチャンネルではない。


クリエイターがプロバイダーから解放されることで、より多くのクリエイターが、より自由な発想でコンテンツをつくることができる。参入障壁が低くなり、クリエイターの数が増えれば、コンテンツの質は玉石混合になるに違いない。が、多様なコンテンツが溢れることは産業を活性化させる原動力になると筆者は信じている。


関西人歌い手の二人の番組が、GYAOで、ニコニコ動画で、日本テレビで配信される時代へ。


そんな未来がやってくる。